「あれ?いつもより水の減りが早いな!」と感じた時、皆さんはどのように考えるでしょうか?
「こんな日もある」と様子を見る、「病気かな」と心配するなど、反応は色々ですよね?
ではそもそも、水を飲む量が増えるのは、体にどんな変化が起きている時なのか考えてみましょう!

水を飲むことは体にとって大切なこと

 

いきなりですが、クイズです!

体にはどれくらいの水分が含まれているでしょうか?

人間であれば、大人の体で約60%程度が水分で構成されていますが、成犬でも同じ程度の水分量で体は維持されています!

体の中には、血液・尿・細胞ひとつひとつを維持するための液体としてなど、いろいろな形で水分が含まれています!

水分(体液)は体が生きるためになくてはならないものです!

体内の水分の10%以上が失われると、体は耐えきれず死に至る危険性もあるほど。

しかし、大切なのはただ水分を取り入れるだけではなく、「必要な量を吸収して、不要なものをうまく排出する」体の機能です!

 

なぜ水を飲む量が増えるの?

 

外から水分を摂取する時、そのほとんどは口から体の中に取り入れることになります!

単純にお水が入っているお皿から飲むこともあれば、ごはんやおやつに含まれる水分も食事と一緒に入っていきます!

そういった経口で摂取された水分は、食道、胃、小腸、大腸を通り、吸収されなかった食事と共に便として排泄されるものもあれば、必要量の水分として吸収されて体液として体を巡り、不要な量だと体に判断されれば、腎臓でろ過されて膀胱から尿として排泄されるものもあります!

飲水量が増える理由としては、この愛犬の体を巡る水の量が単純に足りない時か、水が巡る体の仕組みの中でどこかに異常が生じている時が考えられます!

 

体が水を求める状況

 

体に水分が足りない時が訪れるのはどんな瞬間でしょうか?

単純に身近な場所に水がなく、飲水できない時間が続いた時はもちろん、暑い日や興奮した時間を過ごしてハァハァと呼吸を荒くしていた時には、体から気化して蒸発した水分量が増えるため、必然的に飲水量は増えることになります!

また、泌尿器系の療法食を食べている子によくありますが、あえて飲水量が増えるようにフードを組成しているものもあります!

そして、ふだんのフードで言えば、水分が10%以下のドライフードに切り替えた時には、ウェットタイプの缶詰やパウチ製品に比べ体に取り込める水分量が減るので必然的に飲水量は増えます!

病気の治療中であれば、利尿薬やステロイドなどを投薬している場合、飲水量が増える副作用を持っているため、水をたくさん飲むなと感じることが多いはずです!

これらは原因がはっきりしているため、対策の仕方もあるのですが、問題ははっきりと原因が思い当たらない時です!

病気が原因のもの

 

体から水分がなくなったり、補わなければならなくなる場面で、それが単純な理由であれば良いのですが、時には内臓機能やホルモンバランスを調節する内分泌機能の問題が発生している可能性を示していることも!

1. 腎臓病

血液をろ過して尿を濃縮し、体に不要な老廃物を排泄しながら水分量を調節してくれる機能を持つ腎臓!

そんな腎臓の細胞がダメージを受けたり、加齢により機能が低下すると、尿の濃縮機能が低下し、必要な水分を体に戻すことができずに尿としてたくさん排泄してしまいます!

出ていく水分が多ければ、体は機能を維持しようと水分を多く欲するため、必然的に飲水量が多くなります!

腎臓のダメージが進んでからでないと血液検査では数値としては現れないため、尿検査や飲水量の増加から腎臓病が見つかることも!

腎臓は再生できない臓器で、腎臓病が進行してしまうと体から老廃物が排出できなくなり、尿毒症と呼ばれる状態に陥ります!

そうなると命に関わるため、早期に発見して進行を遅らせることが不可欠です!

2. 子宮蓄膿症

避妊手術をしていない高齢の女の子に多いのが、子宮蓄膿症です!

子宮が細菌感染して膿がたまり、発生する毒素が腎臓に影響を与えてしまうことで飲水量・尿量が増えることがあります!

子宮が破裂してパンパンにたまった膿がお腹の中に流出するような事態になれば死に至る危険も高いため、元気がなくなったり陰部から膿が出ている、熱っぽい気がするという時にはすぐに動物病院へ行きましょう!

3.副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

中高齢のわんちゃんに多い病気で、副腎と呼ばれる腎臓の近くの臓器から、コルチゾールというホルモンが必要以上に出すぎてしまうホルモンの病気です!

コルチゾールはエネルギー源となる体内の糖をコントロールする役割を持っていますが、過剰に糖を作り、あふれた糖が尿と一緒に排泄され、体内の水分が糖に引っ張られて過剰に排出されてしまうことで、多飲多尿・多食といった症状が現れることも!

筋肉などを分解してまで糖を作り出してしまうので、筋量が減って運動しなくなったり、肝臓が肥大して樽のようなお腹がポッコリとした体型に変わります。

この病気自体が、コルチゾールを作りだす指示器官の腫瘍が原因であったり、合併症を引き落とすことで命に関わることもあります!

早めに見つけて対策を練っていきたい病気ですね!

4. 糖尿病

体を動かすエネルギー源となるブドウ糖は、膵臓で作られるインスリンというホルモンによって細胞の中に上手に取り込めるように調節されています!

しかし、このインスリンが上手に作れなくなると、血中に糖があふれ、本来は出ないはずの尿に混じって出て行ってしまいます!

やはりこの糖に引っ張られて、水分も尿として同時に、そして多量に出ていくため、体は脱水しのどが渇くように!

糖尿病が進むと、白内障や腎臓・肝臓の機能障害に加え、体を酸性に傾けるケトアシドーシスという合併症も引き起こすため、最悪死に至ることもあります!

糖尿病も早く発見して、進行の度合いを見極めていきたい病気です!

飲水量が増えた時に自宅でできる健康チェック

 

飲水量がいつもと比べて明らかに違う時、動物病院で診察を受けて外からは見えない体の異常をみてもらう必要があります!

そんな時、獣医さんに伝える情報は、より多く、正確であるべき

ましてや、ふだん一緒に暮らしている飼い主さんなら、愛犬についてたくさんの情報を持っています!

「いつもと違う」を伝えるために、飲水量が多い時の診察のために事前にお家で情報収集しておきましょう!

1. 飲水量をはかる
2. 尿の量・色を比べる
3. 体で他に変わったことはないか確認

まずは本当に飲水量が増えているのかを確認してみましょう!

最も簡単なのは、500mlペットボトルを使って計測する方法です!

例えば、500mlペットボトル1本分の水をお皿に入れます!

そして、いつもの交換のタイミングで、お皿に残った水を再びペットボトルに戻してみましょう!

どれくらい減っているかを、ペットボトル本体の写真をスマートフォンなどで撮るか、だいたい〇〇ml残っている・・・などと、記録していきます!

たった1日多かった程度ならばもう少し様子を見てみますが、何日もずっと飲水量が多い日が続いたり飲水量が徐々に増えているといったことが明らかであれば獣医さんに相談してみましょう!

基本的に、1㎏あたり100mlを超える量を1日で飲んでいる場合は病気の可能性が高いので、動物病院で診察してもらってください!

そして、飲水量と同時に、排泄される水分にも注目しておきましょう!

そして、排泄される水分と言えば尿です!

腎臓の機能が落ちたり、ホルモンの影響を受けると、尿を濃縮して作り出す機能が落ちたり水分が過剰に外に出るようになってしまうため、色の薄い尿が多量に出るようになります!

また、内臓へのダメージがあれば、赤色や茶色、オレンジ色といったいつもと違う色の尿も!

体の中で起きていることを探る指標になるので、尿はしっかりチェックしておきましょう!

そして同時に、飲水量の変化以外にも、元気がない、食欲が落ちた・増した、嘔吐の頻度が増えたなど、他の症状が以前よりも現れていないかを確かめておきましょう!

内臓へのダメージは気持ち悪さや痛み、不快感を生み出すことも多いため、愛犬にとって飲水量以外の症状も出てくることが多いためです!

「様子を見ない」ことが愛犬を助けるかも?

 

飲水量の増減は、吐いたり下痢をしたりといった症状に比べ、体の辛さが明らかにならないことも多くあります!

愛犬がしんどそうでなければ、「もう少し様子を見ても良いかな」と飼い主さんは思いがちですよね?

しかし、たくさん水を飲むことが、体の不調を伝える「第1歩」であるかもしれないということを、飼い主さんは知っておく必要があります!

しんどくなってから…ではなく、「いつもと違う」を突きつめて考えてあげる姿勢が愛犬を助けることになるかもしれません!

「いつもと違う」ことに気づいた時、どのように違うのかを観察し、ささいなことでも獣医さんに相談することが、愛犬との暮らしを長く歩む秘訣のひとつになりますよ!

以上、
「愛犬が水を多量に飲むようになった時に飼い主にできる3つのこと!」でした!

本日もお読みいただきありがとうございました!

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