愛犬に急に訪れるアレルギー。

人と同じように体の免疫反応が過剰に働き、日常生活を困難にするさまざまな症状が現れます。

アレルギー症状が出た時にすぐに気づいてあげられるよう、愛犬に起こる可能性のあるアレルギーについて知っておきましょう!

日常生活を邪魔してしまう愛犬のアレルギー

毎日食べる食事や環境中の何気ない物質に対して、体の免疫システムが敵だと認識して過剰に反応してしまうのが「アレルギー」です!

犬の体に起こりやすいアレルギー疾患で、長期間に渡って愛犬を苦しめる可能性がある代表的なものには、
● ノミアレルギー性皮膚炎
● 食物アレルギー
● アトピー性皮膚炎
の3つがあげられます!

人も犬も、体内に備わった免疫システムはこの世のどんなものに対してもアレルギーを引き起こす可能性があるため、アレルギーのリスクをゼロにすることはできません

しかし、愛犬に起こりやすい代表的なアレルギー疾患を知り、その対処方法を知っておくことで、アレルギーが引き起こす辛い症状を和らげてあげたり、抑えてあげることが可能になります!

アレルギーはなぜ起こる?その原因とは

体の免疫システムは、本来であれば細菌やウイルスなどの病原体に対して体が負けないよう闘うために備わった機能です。

しかし、この免疫システムがエラーを起こし、
・食べ物
・植物の花粉
・ハウスダスト
・薬
・目に見えない家の中のダニ
など、さまざまな物質に対して「敵が侵入してきた!」と攻撃してしまった結果、その物質を今後敵とみなし、闘うためのシステムを体の中で作り上げます!

一度過剰な免疫応答システムが作り上げられると、次に同じ物質が体の中に入ってきた時にこの抗体が作用して、アレルゲン物質と連結しヒスタミンという痒みなどを引き起こす化学物質が放出されてしまうのです!

ちなみにこのアレルゲンは、普段から遭遇することの多い身近な物質であることも多いです。

人の花粉症でもよく例えられますが、コップの容量に納まっている範囲であれば症状が現れなくても、容量の限度を超えてあふれ出した瞬間に出始めることもあり、「この間までは大丈夫だったのに…」と驚くことも!

また、獲得してしまった免疫応答システムは一生の付き合いとなることもありますが、アレルゲンを避ける生活を続けているうちにアレルギー症状が出る程度が弱まっていくこともあります!

犬のアレルギー疾患の代表的な症状7つ

愛犬の日常を侵食してしまうアレルギー疾患は、そのほとんどで皮膚の炎症を伴いながら症状が現れます!

1.体を足で頻繁に(ひっきりなしに)「引っ掻く」
2.顔周りが痒くて地面に「擦りつける」
3.皮膚に「赤み」が出る
4.手足の先端を「舐める」
5. 体の痒い部分を出血するほどに「噛む」
6.皮膚のバリア機能崩壊による「フケ(皮膚の乾燥)」「脱毛」「べたつき」
7.原因となる食べ物を食べた後の「嘔吐」「下痢」

人のアレルギー症状の場合は、呼吸が苦しくなったりくしゃみや鼻水が止まらないといった症状が出ることが多いものですが、犬のアレルギーでは皮膚症状として現れることが一般的です!

また、アレルギー性の痒みを何とか鎮めようと、引っ掻いたり舐めたり、酷い時には自分の体を傷つけてしまうほど噛んでしまうと、皮膚のバリア機能の崩壊を助長してしまいます。

すると二次的に皮膚の細菌・カビの感染や外耳炎を引き起こしやすくなり、重症化してしまうことに加えて、原因となっているアレルギー疾患が見逃されてしまうケースも少なくありません!

繰り返す皮膚炎や外耳炎、治まらない痒みには、アレルギーを疑ってみることが必要です!

アレルギーのタイプによって異なる症状の出方

一口に犬のアレルギー疾患と言っても、アレルゲン物質が何かによって症状の出方が大きく異なることがあります!

「もしかしたらうちの子もアレルギーなのかも?」と気づくためにも、それぞれに現れやすい特徴的な症状を知っておきましょう。

1.ノミアレルギー性皮膚炎の症状

ノミアレルギー性皮膚炎は、犬の体に寄生して吸血するノミの唾液がアレルゲンとなって、
● 強い痒み
● ブツブツとした丘疹
● 腰から尻尾の付け根にかけての脱毛

などを主な症状とするアレルギー疾患です!

ノミの唾液にアレルギー反応を示す犬は、1匹のノミに咬まれただけでも激しい痒みに襲われるため、体が傷ついてしまうほどに引っ掻くことで皮膚が化膿することも多いのが特徴です!

ノミがいるかどうか探す時には、腰から尻尾の付け根にかけてノミ糞(小さな黒い粒)を探してみると良いでしょう。

濡れたティッシュに数分包んでおくと、ノミ糞であれば吸血した愛犬の血液が赤茶色ににじみ出てくるのでよく分かります!

2.食物アレルギーの症状

食物アレルギーは、アレルゲンとなる食べ物の入り口である口周り・出口となる肛門周囲を中心に、耳や目の周り・背中から腰にかけてなどさまざまな場所に痒みや赤みが現れます!

食べ物が原因物質のため季節による痒みの変化はほとんどなく、1年を通して症状に苦しんでいるわんちゃんも少なくありません!

それに加えて、食べ物が通過する消化管が影響を受けることで、
● 繊維質の多い食事を取っているわけではないのに便の回数が多い
● 食後に嘔吐することが多い
● 元気だが慢性的な軟便や下痢が多い

といった消化器症状を伴ったり、時には皮膚炎は出ないのになぜか嘔吐や下痢だけ起こるというケースもあり、一見してアレルギーを疑うことができないことも多いため注意が必要です!

食物アレルギーは実は1歳未満で発症していることも多いものですが、皮膚炎が酷くなったり、下痢や嘔吐が続かない限り、飼い主さんからはなかなか気づかれにくいアレルギー疾患です。

3.アトピー性皮膚炎の症状

食べ物以外の花粉やハウスダスト、室内のダニなど環境アレルゲンと呼ばれる物質に反応して起こるアレルギー疾患がアトピー性皮膚炎です!

食物アレルギーとよく似た皮膚炎が見られますが、
● 植物の種類が変わる季節によって痒みの程度が変わりやすい
● 1~3歳での発症が多い
● 背中に皮膚炎が現れることはない
● 消化器症状はない

といった違いがあります!

痒みや赤みを伴う皮膚の炎症も、食物アレルギーに比べてお腹周りや胸のあたりに症状が出ることも多いでしょう。

また、「アトピックドライスキン」と呼ばれる特徴的な乾燥肌を原因とする皮膚バリア機能の低下により、掻き壊しによる感染性皮膚炎も多発します!

・アレルゲンの侵入で痒みがあるから掻く
・皮膚に炎症が起きて痒み刺激が悪化する
・再び掻いて皮膚を掻き壊す
・皮膚の細菌感染などで炎症が悪化する …
といったように、どんどん痒みの悪循環が起きやすいのがアトピー性皮膚炎の特徴です!

愛犬のアレルギーの治療法と費用

ノミ・食べ物・環境アレルゲンによって異なる症状への対応方法は、それぞれに合った治療を行うことが必要です!

ノミアレルギー性皮膚炎の場合

ノミアレルギー性皮膚炎を発症している場合は、まずは寄生しているノミを動物病院取り扱いの駆虫薬で駆除し、痒みを抑えるステロイド剤などの内服薬で炎症を鎮めます。

ノミの駆虫薬は動物病院がどんな薬剤を取り扱っているのかにもよりますが、1回分は小型犬であれば1,000円台から処方してもらうこともできるでしょう!

フィラリア薬や消化管内寄生虫の駆虫薬が一緒になっているタイプであれば、それよりも高額になることが多くなります。

ただし、1回きりの治療と対処では今後何度も繰り返す可能性があるため、ノミに寄生・吸血されるのを避けるための予防策を常にとることが大切です!

● 駆虫薬の投与間隔に合わせたノミの通年予防
● ノミの繁殖を予防するためのこまめな室内掃除
● ノミがいる可能性がある布製品の洗濯や廃棄
といった対策を同時進行で行いましょう!

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の場合

食物アレルギーやアトピー性皮膚炎は、まずは寄生虫やカビなどを原因とする皮膚炎ではないかどうかという除外診断を行った上で、アレルゲンの追求が行われます!

アレルゲンとして認識されないレベルまで分子を小さくしたアレルギー専用の療法食と水のみを一定期間口にする除去食試験と、アレルゲンを特定するためのアレルギー検査を同時進行で行い、食事を変えることで症状が治まっていくかを確認します。

● 食事で症状が改善されるようであれば食物アレルギー
● 改善しなければアトピー性皮膚炎
として、アレルギー検査の結果も参考にしつつ、スキンケアを行って皮膚のバリア機能の維持・改善に努めることになります!

ただし、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎のどちらも抱えている場合があるため、必ずどちらか一方のみの診断となるとは限りません!

アレルギーによる皮膚炎の状態を改善・維持するためには、
・症状に合わせた内服薬の投与(痒み止め・ステロイド・抗生剤など)
・アレルゲンを除去した食事療法食
・薬用シャンプーを使用した薬浴
・生活環境からアレルゲンをできる限り取り除く
・アレルゲンに体を徐々に慣らしていく減感作療法
などの治療方法を行います。

しかし、アレルゲンとなる食材を避ければ症状が治まる食物アレルギーと異なり、環境アレルゲンが原因となるアトピー性皮膚炎はアレルゲンに一切触れない生活を送ることはほぼ不可能です!

そのため、愛犬のその時その時の症状に合わせて複数の治療方法やスキンケアを組み合わせることになり、飼い主さんがどこまで手をかけてあげられるかによってもかかる費用には差が現れます!

アレルギー検査を行うだけでも1回につき約3万5,000円程度の費用がかかる上、ペット保険会社アニコム損保の「家庭どうぶつ白書2019」によると、
【アトピー性皮膚炎の1頭あたりの年間診療費】
・中央値:3万2,867円
・平均値:12万3,723円
といった結果も出ています。

アレルギーとはうまく付き合っていくことが大事

アレルゲンがはっきりしているノミや食べ物に比べ、環境中の物質に反応してしまうアトピー性皮膚炎の場合は、治療を頑張っていても症状をゼロに抑えることは難しい病気でもあります。

しかし、皮膚の状態をできる限り整え、愛犬のストレスにならないような生活を送ることで、投薬量や薬浴回数の減少を目指すことができる場合も多いもの!

愛犬が辛い症状に陥る前に上手にアレルギーをコントロールする方法がないか、かかりつけの獣医師とよく相談してみてくださいね!

 

以上、
「犬がアレルギーに!代表的な症状7つの原因と治療法、治療費を紹介!」でした!

本日もお読みいただきありがとうございました!