現在世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス「COVID-19」。
飼い主さんにとっては、人である自分自身や家族だけでなく、愛犬や愛猫への影響を心配している声もよく聞こえてきます!
そこで今回は、現段階で発信されているCOVID-19と犬に関わる情報についてまとめてみました!
Contents
【香港発】新型コロナウイルスが犬に感染したケース
飼い主さんたちが新型コロナウイルス「COVID-19」と愛犬について心配し始めたきっかけは、香港から届いたこのニュースでした!
CNN「ペット犬に新型肺炎の弱い陽性反応、飼い主は感染 香港」
https://www.cnn.co.jp/world/35150060.html
新型コロナウイルスに感染していた女性が飼育していた17歳の老犬を検査した結果、鼻や口から採取した材料から新型コロナウイルスが検出され、弱陽性反応が見られたというものです!
香港政府はこの結果を受けて、陰性となるまでこのわんちゃんを隔離する決定をし、実際に行われていました!
隔離中は発症せず、やがて検査結果が陰性となったこのわんちゃんは3月14日に飼い主さんの元へ返されましたが、2日後の16日に死亡したそうです。
元々心臓の持病があったことや17歳の高齢犬であったことなど、飼い主さんが病理解剖を断ったためはっきりとした死因はわかりませんが、少なくとも新型コロナウイルスを発症しての死亡ではないとされています!
日本の獣医師たちの反応は?
このニュースを受け、社団法人日本獣医師会では当初、「犬にウイルスが感染し、犬の体内で増殖して排出されたと確認されてはいません」という、情報の不透明さもあったために未確定情報だという見解を発表していました!
社団法人 日本獣医師会 2020年2月28日
「香港で新型コロナウイルス感染者の飼育犬から弱陽性反応が出た事例について」:
http://nichiju.lin.gr.jp/covid-19/covid-19_file1.pdf
しかし、3月4日に香港政府が検査を繰り返し行った末に、「犬に低レベルの新型コロナウイルス感染を確認した」とする発表を受け、犬にも感染は成立するという見方に訂正しています!
社団法人 日本獣医師会 2020年3月9日
「ペットの犬に低レベルの新型コロナウイルス感染が見られた」とする香港政府の発表について」:
http://nichiju.lin.gr.jp/covid-19/covid-19_file3.pdf
ただし香港政府からも、犬や猫をはじめとしたペットが新型コロナウイルスを媒介して広める因子になっているデータはないという指摘を受けていることから、
● あくまで感染サイクルの主体は人
● 感染した飼い主と濃厚接触した犬が感染する可能性はある
という、犬への感染は限定的であるという見解を伝えています!
また、初めて情報が発信された香港でも、ペットである犬に明らかな感染の広がりは現在も認められていません。
日本で愛犬の新型コロナウイルス感染検査は可能?
こうなってみると、「うちの愛犬は大丈夫なのか」と心配する飼い主さんが多くなることは明らかですね。
しかし、日本では犬や猫に対するPCR検査の体制は整っておらず、現段階で個人が希望してペットへの感染の有無を確かめることは不可能です!
人の検査体制や方法をまだ整えている最中でもあり、ペットに検査が可能になるかどうかは、人命優先の観点からどうしても後回しになってしまうでしょう。
また、香港の感染例を見る限り、犬に感染が成立しても発症しなかったことから、もし万が一日本の犬たちに感染が起こっていたとしても症状を示さない、「不顕性感染」の可能性が高いと言えます。
犬の命を奪い、飼い主にも感染を広めてしまうといったズーノーシス(人獣共通感染症)の重症度が高いことがどこかの国で判明しない限り、現段階で犬や猫への検査が優先して行われる可能性はかなり低いと言わざるを得ません!
愛犬のための新型コロナウイルス対策
「検査ができないから何もできないのか」と心配や不安だけ抱えてしまっても、飼い主さんたちの心はなかなか休まりませんよね。
そこで、現在日本の獣医師たちから推奨されている、愛犬や飼い主さん自身を守るための新型コロナウイルス対策をお伝えしておきます!
今の段階でできることは、
● お散歩は家の周囲のみに限定する
● 愛犬を連れての人混みの多いイベントの参加を避ける
● 不特定多数が出入りするドッグランなどの施設の使用を一時的に避ける
● 基本は自宅で過ごす
が前提となります!
その上で、飼い主さんや愛犬に感染した(している可能性が高い)場合は、
● 飼い主さんが軽症なら自宅で&自分でお世話
● 触れ合う時にキスする、ベッドを同じにするといった濃厚接触を避ける
● 触れ合いの前後では手洗いをしっかり行いマスクを着用
● 感染者が発生した家で暮らす犬を動物病院に連れていく時は事前に連絡して相談
といった方法を取ってください!
公益社団法人 日本動物病院福祉協会(JAHA)
「香港の犬からの新型コロナウイルス 検出に関する追加情報」:
https://www.jaha.or.jp/info/cov_info_canine_2/
たとえわんちゃんが感染してしまっていたとしても、現在の香港の事例からは、隔離していれば発症もせず、自然と陰性化していったことがわかっています。
現段階で1番警戒すべきは、わんちゃんの体調が新型コロナウイルスによって悪化するかもという心配より、飼い主さんとわんちゃんのお出かけ・他人との接触による感染の拡大です!
正しく恐れて飼い主さんにできることを実践しよう
世界では新型コロナウイルスによるペットへの風評被害や、むやみやたらな恐れが広がっているという地域もあるようです。
繰り返しになりますが、今のところわんちゃんに新型コロナウイルスが感染・発症して重症化したという例は報告されていません!
現在日本のみならず世界で問題となっているのは、「人から人への感染」です!
飼い主さんにできることは、今感染拡大防止のために呼びかけられている人の対策と同じと言っても過言ではありません。
これから春を迎え、動物病院ではフィラリア予防やワクチンなど、待合室が混雑するシーズンを迎えます!
かかりつけの動物病院で、待合室における待ち時間が普段から長いようであれば、予約システムや駐車場の車内で待機するなど、できるだけ人と離れて過ごす工夫ができるか確認してみましょう!
飼い主さんが体調を崩してしまっては、愛犬たちも行き場がありません。
まずは飼い主さんがしっかり体調を整えて、愛犬のお世話をいつも通り行う体力を確保することを優先してくださいね。
以上、
「コロナウイルスは犬にうつる?犬への影響と人への感染の可能性は?」でした!
本日もお読みいただきありがとうございました!