愛犬が年齢を重ねて老犬になると、「うちの子は認知症になっていないかな?」と気になることもあるでしょう。
とは言え、犬の認知症でどんな症状が出るのか知らなければ、なかなか発見も難しいものです!
そこで今回は、早期に見つけるための認知症の症状を確認してみましょう!
Contents
犬の認知症はなぜ早期発見すべき?
犬の認知機能不全症候群(いわゆる認知症)は、進行性の脳の病気です!
犬の認知症は症状が進めば進むほど、
● 夜鳴き
● 昼夜逆転
● 感情表現の低下
● 無目的な旋回行動(ぐるぐる回る)
● 所かまわずに排泄の失敗
● 寝たきり
といった、飼い主さんの生活もどんどん脅かしてしまうものに変化していきます!
このような状況になるのを遅らせるためには、早期に認知症を発見して、治療を開始することが最も重要です。
脳に与えられたダメージが少ないうちから進行を抑えるための暮らしや食生活を送れば、薬に頼らなければどうしようもない状況を迎えることを先延ばしにできる可能性が高くなります!
犬の認知症の初期症状はどんなもの?
早期治療に踏み切るためには、いつも一緒に暮らしている飼い主さんが認知症の初期症状に気づいてあげることが必要です!
ここからは犬の認知症でよく現れる初期症状をご紹介します。
ぜひお家のわんちゃんの様子を確認しつつ、当てはまるものにチェックを入れてみてくださいね!
1.見当識障害
愛犬にとって、慣れ親しんだ人や場所を忘れたりする症状を見当識障害と言います。
初期の症状では、
□ 開かない方のドアを向いてしきりに「開けて」と訴える
□ 机の下から出てこれない
□ 目の前の障害物の避け方がわからない
など、「あれ?何だかいつもと同じことをしているはずなのに困っているな?」と感じることが多いでしょう!
2.相互反応の変化
認知症になると、家族や同居動物との関わり方にも変化が起きます!
□ いつもならしている飼い主のお出迎えをしない日が増える
□ 家族や同居動物と遊ぶことが減る
□ 飼い主や同居動物への興味・関心が薄くなる
□ 名前を呼ばれても反応が鈍い
□ 日によって家族に対すして急に攻撃したりいつも通りだったり態度にばらつきがある
3.睡眠あるいは行動の変化
加齢によって睡眠を促すホルモンの材料になるセロトニンが減少し、1日の生活サイクルに変化が訪れます!
□ 昼間に眠る時間が増える
□ 夜になぜか寝つきが悪く、ウロウロと歩く
□ 落ち着かない様子で意味もなく吠えることがある
4.家庭でのしつけ・ルールを忘れる
認知症になると、これまでしつけで教えてきたはずの家庭内でのルールを忘れることが多くなります!
ただし、わんちゃんは失敗したくて、ルールを破りたくてしているわけではありません!
□ トイレの失敗が増える(トイレの場所がわからない)
□ 入ってはいけないと決められていた場所(寝室など)に入る
□ 今までに覚えたトリック(芸)の失敗が増える
5.活動の変化
認知症になると、受けた刺激への反応が少なくなり、ぼーっとした時間がどんどん長くなっていくことがほとんどです!
□ 1日を通して睡眠時間が長く感じる
□ 食事に対する興味が減る
□ 匂いを嗅ぐなど散歩中に楽しんでいたことをしなくなる
認知症かも?と思ったら
「何だかいっぱい症状が当てはまっている気がする!」と感じたら、まずは動物病院で認知症以外の病気の可能性がないかを含めて相談してみましょう!
認知症だと思っていても、排泄の失敗が実は膀胱炎や尿石症、関節炎による痛みによってトイレまでたどりつけないせいである可能性も否定できないからです!
また、急な攻撃性や一定の場所をぐるぐる・うろうろ歩き回るなどの異常行動が、脳の腫瘍や方向感覚を司る器官の異常であることも少なくありません。
また、認知症の初期症状の多くは、「おじいちゃん・おばあちゃん犬になったからかな?」と感じるレベルで済んでしまう症状も多いものです!
いつもの様子や行動に変化があった時には、
● いつその症状があったか
● その症状が継続したか
● その症状に悪化が見られたか
といった点を記録して、獣医師に相談するのもおすすめです!
愛犬の脳の老化を防ぐ暮らし
犬の認知機能は、8歳を過ぎるとどんな子であっても徐々に低下していくとされています!
たとえ今認知症でなかったとしても、脳に刺激を与えて老化を予防する暮らしを実践しておくことはとても重要になります。
お散歩の仕方を工夫しよう
室内犬にとって、お散歩はお家の中では感じられない刺激にあふれた楽しい時間です!
ただし、トイレに行くだけ、いつものお散歩ルートだけでは、何となく歩いているだけで終了するお散歩になってしまいかねません!
● 複数の散歩ルートを確保して日によって変える
● 散歩中に基本コマンド(おすわりや待てなど)の練習を入れる
● 犬友達や飼い主さん仲間と会う日を作る
● ドッグランやわんちゃん向けの教室などいつもは行かない場所に行く
といった、一工夫を週に何度か取り入れてみると良いですよ!
また、日光に当たることによって睡眠を促すホルモンが体の中で作られていきます。
お散歩時間を昼の温かい日差しを感じる時間にも行うと、体内時計を調節することにもつながるのでおすすめです!
考える遊びを取り入れよう
頭を使った遊びは、
「どうすれば飼い主さんが褒めてくれるかな?」
「おいしいおやつを取り出すにはどう探せば良いかな?」
と、わんちゃんの思考力をフル回転させるため良い刺激になります!
● お気に入りのおもちゃやおやつを室内で探す宝探しゲーム
● 飼い主さんの手や紙コップにおやつを隠してどこに入っているかを当てる嗅覚ゲーム
● 室内で隠れた飼い主さんを探し当てるかくれんぼゲーム
● 特定の動きを組み合わせて飼い主さんと協力して行うドッグダンス
楽しんでできるものを探してあげると、「もっとやりたい!」という気持ちを高めてあげることができます!
愛犬の好きなことがおもちゃで遊ぶことなのか、おやつを食べることなのか、いつもの好みに合わせて行ってあげてくださいね!
飼い主さんと触れ合う時間はたっぷりと
ぼーっとしている時間が長ければ長いほど、わんちゃんにとっては「つまらない」「退屈」と感じる時間の割合が増えるため、認知機能の低下が進行してしまう可能性があります!
飼い主さんと触れ合ったり、話しかけてもらうことは、群れを構築して社会生活を送る犬という動物にとってはすごく嬉しいことなのです!
そこで、毎日少しずつで構わないので、1日のうちのんびりと愛犬と向き合う時間を確保してあげましょう。
● マッサージ
● ストレッチ
● トリック(芸)の練習
など、触れ合いからは皮膚への刺激を通して脳にまで届きますし、芸が成功して飼い主さんが嬉しそうな様子を見せるだけでも、犬たちの心がうきうきと湧きたちます!
「年のせい」で片づけずに愛犬の異変に気づこう!
年齢を重ねて行動が緩やかになったり、遊ばなくなったりしても、「年だしこんなものかな」と自分の中で勝手に判断してしまうことも多いですよね。
また、認知症の初期症状だけでは、獣医さんたちも「認知症ですね」と簡単に診断することはかなり難しいものです!
それでも愛犬の気になる行動を見かけた時には、ただ放っておくのではなく、その行動がどう変わっていくかを、脳の老化を防ぐ生活習慣を実行しながらぜひ追いかけてみてください!
もしも認知症の症状が強いと感じられるようになった時には、改めて獣医師と相談しながら進行を緩やかにする治療を始めていくと良いですよ!
以上、
「犬の認知症の初期症状一覧!心当たりはありませんか?」でした!
本日もお読みいただきありがとうございました!