犬のおしっこは通常は黄色ですが、病気になると血が混じって色が変化することがあります!
血尿を放っておくと、気づかぬうちに愛犬の健康を損なっていたということも。
愛犬に血尿が起きる時の原因は何か、対処法はどうすべきなのかを知っておきましょう!
Contents
血尿はなぜ起きる?原因を探ろう!
犬が血尿を引き起こす時は、尿が腎臓で作られてから外に排出されるまでに、
● 通り道の粘膜が物理的にもしくは炎症によって傷ついた
● 通り道にできた腫瘍が破裂した
といったことが原因で出血することによって、尿が赤みを帯びるようになります!
また、厳密には血尿ではなく血色素尿と呼ばれるものですが、
● 尿の材料である血液の成分が壊れていた
といった時も赤い(赤黒い)尿が出現します!
血尿と血色素尿は、パッと見た限りでは確定診断を下すことは難しいため、獣医さんが尿を顕微鏡で観察して判断していくことになります!
こういった「赤い尿」を引き起こす病気とはいったい何なのか、愛犬の健康を守るためにもぜひ知っておきましょう!
血尿を引き起こす病気
犬の血尿(血色素尿)の原因としてよくあるものには、大きく分けて
● 膀胱・尿道・尿管・腎臓の病気
● 溶血性貧血
の2つがあります!
順番に見てみましょう!
膀胱・尿道・尿管・腎臓の病気
犬の血尿の原因として最も多いのが、腎臓で作られた尿が外へ排出されるまでに通る「膀胱」「尿道」「尿管」「腎臓」での出血です!
● 膀胱炎
● 尿石症
● 腎盂腎炎
● 腫瘍
などが一般的で、特に犬の膀胱炎・尿石症は細菌感染が元になっていることも多いです!
こういった細菌感染は激しい炎症を粘膜に引き起こしてダメージを与えたり、通り道にできた結石が粘膜をこすって傷つけてしまうことから出血して尿と混じり合います!
尿石症として多いのは、
・ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
・シュウ酸カルシウム
の2つで、細菌感染はもちろんですが、おやつの多い乱れた食生活や高脂血症などが引き金になっていることもあります!
溶血性貧血
尿は血液をろ過して作られるものですが、血液中の赤血球が壊れていると、腎臓から尿道までの通り道に問題はなくても、その色素が尿の色として出ることがあります!
こういった赤血球が破壊されることを「溶血」と呼び、これはさまざまな原因によって引き起こされます!
溶血を引き起こすものとして代表的なのは、
● 毒物の摂取(中毒)
● 免疫機能の異常(免疫介在性溶血性貧血など)
● 寄生虫の感染(バベシア症)
などです!
溶血性貧血を引き起こす中毒症として有名なのは、玉ねぎや人の風邪薬などの誤食によるもの!
未然に防ぐことも可能な「事故」とも言えるため、飼い主さんとしてはぜひ注意しておきたいものですね。
また、マダニによって媒介されるバベシア症も、マダニの駆虫薬を定期的に投与していれば、本来はほぼ100%防ぐことができますよ!
血尿はどうやって治療するの?
尿路感染が原因の膀胱炎や尿石症に対しては、
● 抗生剤による細菌感染への治療
● 食事療法による結石の溶解・予防
● 結石の外科的除去
といった治療法が取られます!
特に、結石がゴロゴロと大きくなっていて尿道に詰まってしまったり、療法食で溶けるのを待てないほど血尿が酷いようであれば、手術による除去が有力な選択肢になることもあります!
ただし、手術で取り除いたとしても、体質的にできやすい子や、食生活の乱れが正せない子の場合は再発のリスクがついてまわります!
犬の膀胱腫瘍では悪性である割合がかなり高いため、手術や抗がん剤治療などが一般的です!
そして、溶血性貧血によって尿の色が変化している場合は、
● 中毒原因物質の排出を促す(点滴など)
● 過剰な免疫反応システムを抑え込む(ステロイド治療など)
といったように原因に応じてさまざまですが、急激な貧血に苦しんでいるケースでは緊急輸血が必要になることもあり、命の危険にさらされることも多くなるため要注意です!
冬は泌尿器の病気に要注意
血尿の原因で多い膀胱炎・尿石症といった泌尿器系の病気は、飲水量が減りがちなことから冬に頻発するようになります!
尿は血液を介して、体にとって過剰となる水分を排出する役割を持っていますが、飲水量が減ることで余剰分が少なくなり、尿の生成量が減ってしまいます!
すると、尿が膀胱に留まる時間が長くなることで成分が沈殿し、結石となる時間を与えてしまったり、細菌が長時間居つくことによる感染のリスクも増してしまうのです!
冬でも飲水量を保つ工夫を忘れず、愛犬の健康管理に繋げていきたいものですね!
「犬の水の重要性とは?1日にどれくらい飲む?今さら聞けないシーズ!」
愛犬のおしっこは健康を探るバロメーター!
愛犬の尿の色に異常が出る時は、
● 排尿の回数
● 尿の匂い
● 排尿中・後の様子(舐める、痛そうに鳴く)
にも変化が現れることが多いもの!
炎症が酷くなるほど不快感も増し、食欲や元気さにも影響を与えることがあります!
血尿が出た時には、たとえよく繰り返している場合でも楽観視せず、
「もしかしたら重篤な病気が隠れているかも?」
と疑って、獣医師の判断を仰いでみてくださいね!
以上、
「犬のおしっこに血が混じる。血尿の原因や考えられる病気とは?」でした!
本日もお読みいただきありがとうございました!