犬ってどうやって水を飲んでいるかご存知でしたか?
「簡単じゃん!舌をスプーンのようにして飲むんだよ!」
これ、実は違うんです!
実際に犬がどうやって水を飲んでいるかを知っている人は少ないです!
最近の研究で犬の意外な水の飲み方が判明したのでご紹介します!
Contents
犬はどうやって水を飲むの?
犬はどうやって水を飲むの?
愛犬がお皿から水を飲む時、ペチャペチャと音を立てながら黙々と飲んでいることがありますよね?
人と違って顔を下に向けたまま水を飲んでいるので、舌をどんなふうに使っているのか気になった飼い主さんもいるかもしれません!
今までは、犬が水を飲む時には舌を上手に折り曲げてひしゃくのような形にし、舌の裏側ですくって飲んでいるのではないかと考えられてきました!
その定説が、ハーバード大学のCrompton名誉教授らの研究によって最近になって覆されたのです!
研究でわかった水を飲む時の舌の役割
決定的となったのは、犬が水を飲んでいる時の動画(X線:レントゲン動画を含む)でした!
まずは実際に動画をご覧ください!
犬たちは、ひしゃくの要領で水をすくいあげてはいますが、それだけでは私たちが思っているような量の水をガブガブと飲むことができません!
最も有効な動きとは、舌を水の表面につけて持ち上げることで水柱を作り、できた水柱を一瞬のうちに口の中に閉じ込めているのです!
のどの奥まで運んで飲みこむまでに、この動きを3~4回繰り返しているようです!
実は、この水の飲み方は猫と同じなのですが、
・水の表面に入れる舌の面積が猫に比べかなり大きい(水柱も大きい)
・舌ですくいあげる動きがそもそも下手
などの理由から、犬の体格が大きくなって舌の面積が広がるほど、水のお皿が置いてある周囲がビチャビチャに濡れてしまうと考えられています!
また、人の場合は口をしっかりと閉じて真空状態にし、液体物を吸引できる頬の役割が発達していますが、犬はそれがありません!
そのため、この体の構造の違いも、犬が水を飲む時に周囲を濡らしてしまう原因になっています!
「もう!また派手に水をこぼして…」
とため息をつきたくなる時もあるかもしれませんが、犬の舌や頬の仕組みを考えると仕方がないというわけですね。
スローモーションで犬が水を飲んでいる時の舌の動きがわかりやすい動画がもう1つあるので見てみましょう!
まさしく犬たちは水も「食べている」感覚なのかもしれませんね!
1日の飲水量の変化をチェックして!
皆さんの愛犬はご紹介したような方法で水を飲んでいるわけですが、実は毎日どれくらいの水を飲んでいるのかを確認することで、健康管理に役立てることもできます!
飲水量が増えた
体に取り込む水の量が増える時には、体の病気のサインとして出ていることがあります!
飲水量が増えると必然的におしっこの量も増えるので、この症状は「多飲多尿」症状と呼ばれています!
多飲多尿の症状が出ることが多い病気の代表格は、
・腎臓病(腎不全含む)
・子宮蓄膿症
・糖尿病
・甲状腺機能亢進症(クッシング)
などで、初期症状や病気に気づく時の症状として、多飲多尿が現れることも多いのです!
飲水量が増えるようなお薬や療法食を口にしていたり、気温の上昇や運動して興奮した後などはのどが渇くので一時的に飲水量が増えることも考えられます。
しかし、
・お皿によくお水を追加することが増えた
・おしっこのペットシーツをよく交換するようになった
・おしっこの色がいつも薄い黄色に見える
など、継続的に飲水量や尿量が多い、おしっこの色が違うなと感じたら、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう!
飲水量が減った
犬が単純にのどが渇いていなくて自分自身で飲水量を調節する場合は良いのですが、時には「飲みたいのに飲めない」という状況に陥っている可能性もあるので注意しましょう!
お水を飲む量が減ると、脱水症状に陥ったり、尿が必要以上に濃くなって泌尿器の病気につながるリスクもあります!
飲水量が減る原因には、
・ごはんの形状が水分量の多いウェットフードやドライフードになった
・関節炎や筋力の低下で足腰の問題がある
・体のどこかに痛みやだるさがある
・季節性の気温の低下・空調設備による室温の低下
などがあげられます!
老犬で水飲み場まで行けなかったり、口元へ持っていかなければ飲みにくかったりするようであれば、飼い主さんによる飲水サポートが重要になります!
また、飲水や食事をしなくなるような体の不快感があれば、他にも元気がなくおとなしいなと感じるといった複数の症状があるでしょう。
飲水量の増減による健康状態の変化は、毎日の生活の中では「もう少し様子を見ようかな」と見逃されがちです!
気になることがあれば早めの健康診断をおすすめします!
水を飲むのが上手ではない犬たちのケア
時には周囲に水をまき散らしながら水を飲むこともある犬たち!
ここで確認しておかなければいけないのは、周囲に飛び散ってばかりいたり、ペチャペチャと飲む仕草をしているのに実はお皿からお水が減っていないという状況でないかどうかです!
舌の動きが下手だったり加齢とともに上手に動かせなくなっている子の場合は特に、1日の飲水量がどれくらいかをきちんと計測してみましょう!
計量カップに入れた水をお皿に移し、半日~1日ほどの水の交換のタイミングで、残った水を再び計量カップに戻してどのくらい残っているのかを確認します!
周囲に水が飛び散る子はペットシーツをお皿の周囲に敷いておいて、
「 飲水後のペットシーツの重さ(g)-元々のペットシーツの重さ(g)=吸った水の量 」
を計測しましょう!
その結果、お水がきちんと飲めていなくて健康状態に影響が出ているとわかれば、
・ウェットフードをごはんにトッピングする
・ドライフードをふやかす
・ドライフードが好きな子はササミのゆで汁などにとろみをつけてトッピングする(ふやけるのを防止)
・寝たきりの子はシリンジやスポイトで飲水させる頻度を増やす
といったケアを追加してみてください!
是非、これからも愛犬が水をしっかりと飲んで、健康に過ごせているかを毎日見守ってあげてくださいね!
以上、
「犬ってどうやって水を飲んでいるの?舌で舐めるんじゃないの?実は…」でした!
本日もお読みいただきありがとうございました!