愛犬の頭を触った時にふと気づくできもの。
放っておいても治るのか、治療しなければいけないのか迷いどころですよね?
頭にできるできものとはいったいどんなものか、治療法も併せて解説します!
Contents
頭の皮膚に現れたできものの正体は?
愛犬の頭をなでた時に、プクッと触れるものがあると「これはいったい何?」と心配になりますよね。
犬の皮膚には、さまざまな原因でできものやしこりが現れることがあります!
まずは、愛犬の頭にできる可能性があるものを探ってみましょう!
1.炎症や感染
皮膚に傷がついたり、皮膚のバリアが壊れてしまって細菌感染をしてしまうと、体は外敵の侵入を防ごうと、相手としっかり闘おうとするシステムがフル稼働します!
皮膚にできものができたように感じるケースでは、次のような経過をたどって腫れて初めて飼い主さんが気づくこともあります。
1.同居犬や猫とケンカ(噛まれる・引っ掻かれる)
2.傷口から細菌が侵入
3.侵入者をやっつけようと白血球が闘いを開始
4.傷口から闘いの証である膿が出たり、熱が出たりする
原因になっている部分が腫れてしまった時には、まるでできものやしこりのように感じることもあるのです!
他にも、膿皮症などの皮膚炎の症状として細菌感染が起きた時には、人のにきびのようにブツブツができることも!
炎症や感染の原因は、毎日いろいろな場面で引き起こされます!
2.腫瘍
頭に限らず、皮膚の表面にできるできものは、さまざまな「腫瘍」の可能性があります!
腫瘍と一口に言っても、その中には、
● 良性
● 悪性
どちらのものも含んでいるため、検査をしてみなければわかりません!
この腫瘍の中には、皆さんが簡単にイメージできる「イボ」も含まれています!
犬の皮膚腫瘍の発生率は比較的高く、それが良性であれ悪性であれ、年齢を重ねるにつれて増えていく傾向にあります。
見た目には小さなにきびのように見えても、実際は肥満細胞腫のような悪性腫瘍だったということもあるので注意しましょう!
できものが感染や炎症からくるものなのか、それとも腫瘍なのかは、基本的にはパッと見た限りでは100%断定することはできない事実があります!
愛犬の頭部にできたできものがどんなものかは、動物病院できちんとした診断を受けてくださいね!
できものが何かを診断するには?
できものがどんなものかという正体や、治し方を探すためには、獣医師による正しい診断が必要です!
できものが気になって心配な時には、ぜひ獣医師に相談しに行きましょう!
視診・触診
獣医師たちは、まずはできものを外から見て、どんなできものの可能性があるかという予測を立てます!
● できものの見た目の雰囲気
● できものを触った時の感覚
● 飼い主さんからもたらされるできものについての情報
などを確認し、できものの確定診断をつけるための次の検査へ進むかどうかを飼い主さんと話し合います!
とは言え、腫瘍の疑いがある場合は、それ自体がどんな腫瘍かというはっきりとした正体はこれだけでは区別がつきません。
細胞診検査
視診や触診で腫瘍の疑いがある時には、できものそのものの検査が必要になります!
愛犬に麻酔をかけなくてもできる検査の1つに、注射針でできものの中身を吸って、どんな細胞や中身が含まれているかという内容物を知る、細胞診検査(FNA)があります。
痛み自体も少ないため、一度の診察できちんと中身が採取できれば、後は結果を待つだけです!
獣医師が院内の顕微鏡で見ることもあれば、外部の検査機関に出して診断を仰ぐこともあります!
この検査は、大掛かりなことをせずに済み、愛犬に大きな負担がかからないのがメリットです。
しかし、
● 針で刺した時に中身がうまく取れなかった
● 吸引した場所以外の部分に腫瘍細胞が含まれていたが取れていなかった
という事態になる可能性もあり、100%の診断がつかない可能性もあります!
病理検査
腫瘍を疑う場合には、100%の診断をつけるために病理検査をすすめられるケースがあります!
これは、細胞診検査のように一部だけを採取するのではなく、麻酔をかけた手術でできものをすべて取り、それごと外部の検査機関に送って診断をつけるというものです。
検査方法が大掛かりになるデメリットがありますが、できものに対して本当にほぼ100%の診断をつけたい!と思った時には、この方法が1番確実です!
できものの治療法は?
できものの正体が判明すれば、次は治すための治療が必要かどうかを考えていかなければいけませんね。
その治療法は、原因によってさまざまです!
紹介していきます!
1.自然に治るのを待つ
「腫瘍と聞けば何か怖いものなのではないか…」と心配になる飼い主さんも多いことでしょう。
ところが、組織球種といった良性腫瘍などでは、時間が経てば自然と小さくなっていき、治ってしまうものもあるのです!
どんな腫瘍かといったことが検査でわかっていることが前提ではありますが、「様子を見る」という選択ができるケースがあることも知っておきましょう!
2.抗生剤の内服や洗浄
皮膚に感染や炎症が起きている時には、体の闘う力をサポートするために、その細菌に合った抗生剤を処方し、しばらく内服する方法もあります!
また、できものから膿が出てぐじゅぐじゅとしている場合は、そのままにしておくと不衛生になって悪化してしまう危険もあるため、周囲を毛刈りして洗浄します!
腫瘍が原因ではない時には、内服や洗浄によって簡単に治るケースも多いでしょう。
しかし、皮膚炎が原因の場合は、できもののようなブツブツを繰り返し発症することがあるため、治った後も皮膚をきれいに保つケアが重要です!
3.手術による摘出
できものが大きくなったり、悪性腫瘍の可能性が高い場合では、手術によって取り切ることが必要になります!
できものが破裂して臭いを発したり、血や膿が出るようであれば、愛犬の日常生活の質にも影響を与えかねません!
ただし、手術する時には麻酔が必ず必要です。
信頼できる獣医師と、
● どんな流れで手術を行うのか
● 取った後の病理検査を行うかどうか
● 日帰りできる手術か
● 費用がどのくらいかかるのか
といった点をしっかりと話し合い、不安を解消した上で臨むようにしましょう!
4.凍結療法
最近では、イボ(良性腫瘍)を取るための、凍結療法ができる医療機器を備えた動物病院もあります。
これは、イボに液化亜酸化窒素ガスをかけて一時的な凍結と融解を繰り返すことで、イボを破壊していきます!
わんちゃんへの痛みも少ない治療と言われていて、人の医療でも活用されています。
暴れるわんちゃんを除いて、麻酔をかけなくてもできる治療方法のため、イボが気になるけど手術はためらっているという飼い主さんは、機器を扱っている動物病院に相談してみましょう!
こんなできものには注意しよう!
「できものは見た目にも小さいから、このまま様子を見てみよう」と考える飼い主さんは多いもの!
しかし、そのできものが次のような状態にある時には、早めに診察に行くことをおすすめします!
● いつまでも治らない
● 大きくなるスピードが速い
● 破裂して出血したり、膿が出ている
● 赤みがあってかゆがる
● 熱感がある
特に、あっという間に大きくなるようなできものは悪性腫瘍の可能性も高まるため、可能な限り早く正体を突き止めてもらうことが肝心です!
できものが治るかどうかは飼い主さんの対応も重要!
できものと1口に言っても、治るかどうかはできものの正体にもよりますし、治療方法が合っているかどうかも重要です!
しかし、それ以上に大切なのは、できものに対して飼い主さんが動物病院に連れて行ったり、自然に治らないできものを放置しないこと!
特に悪性腫瘍が大きくなってからの手術では、頭の皮膚は余分な伸びが少ないため、「大きすぎて取り切れない」という事態にもなり得ます!
できものを見つけたら自分だけで判断せず、ぜひ獣医師に相談してみくださいね。
以上、
「犬の頭にできものが!これって治せるの?」でした!
本日もお読みいただきありがとうございました!