愛犬にとって治療の遅れが命取りになってしまう腹膜炎という状態!
腹膜炎という名前は聞いたことがあるけれど、実際には何が原因でどんなことが起こるのかわからないことも多いですよね!
今回は起こると危険な腹膜炎についてお話します!

Contents

腹膜炎とはどんな状態のこと?

腹膜炎はその名の通り、細菌感染などを原因として、お腹の臓器全体を覆う腹膜に炎症が起きている状態を指します!

腹膜に炎症が起きるのは、腹膜自体に刺激を受けて炎症が起こるか、もしくはお腹の中の臓器の炎症が腹膜にまで及んでしまい腹膜炎が発生する2つのパターンに分けられます。

腹膜炎は急性に発生する場合がほとんどで、短期間で腹膜全体に炎症が広がる可能性も高い状態です!

無治療のまま放っておくと、全身の循環や呼吸状態に影響が及ぶショック状態に陥って亡くなってしまうこともあるため、かなり緊急性のある状況と言えるでしょう!

 

腹膜炎の原因になりやすい事故・病気

犬の場合、腹膜炎に陥りやすい状況・病気がいくつかあります!

皆さんの愛犬にも関連しやすいものを、ぜひ知っておきましょう!

誤食

腹膜炎の原因で多いのは、消化管に穴が開いて胃腸の中身がお腹に漏れ出てしまうケースです!

犬で特に多い事故は誤食で、誤って尖ったものを飲みこんで消化管を傷つけてしまったり、飲みこんだものが閉塞して腸がねじれた結果破れたりすることで腹膜炎につながります!

● 金属類
● 加熱した鶏の骨
● 果物の種やトウモロコシの芯などの消化できない食品
● ひもやビニールなどの長くて絡まりやすいもの

などを愛犬が口にしないよう注意しましょう!

 

外傷

頻繁にある事故ではありませんが、交通事故や高所からの落下事故によって、内臓が強い衝撃を受けて破裂したり傷ついたりすることがあります!

例えば膀胱が破裂してしまえば尿がお腹の中に流れ出し、そこから感染が引き起こされ腹膜炎が広範囲に発生してしまうケースも!

車の移動時や自宅のベランダなど、愛犬が事故に巻き込まれないようしっかりと見守ってあげましょう!

子宮蓄膿症

未避妊の中年齢以上のメスに発生しやすい子宮蓄膿症では、発情を繰り返して肥厚した子宮に細菌感染が起こり、膿がどんどん溜まってしまいます!

子宮から膣を通じて膿が排出されればまだしも、子宮からまったく膿が排出されずに留まってしまった場合には、子宮がパンパンに膨れあがってやがては破裂します!

膿の中にはたくさんの細菌や白血球の死骸が含まれるため、子宮が破裂する前に手術などですぐに子宮蓄膿症に対応することが必要です!

急性膵炎

急性膵炎ではわんちゃん自身の膵臓を消化してしまう異常事態が発生し、その炎症が腹膜にまで及んでしまい腹膜炎が発生することがあります!

この自己消化という現象を放っておくと、全身性の炎症反応や凝固に関わる重篤な症状を併発し、死に至ることがあるため早期に治療開始しなければいけません!

急性膵炎の原因ははっきりとしないことも多く、高脂肪の食事肥満元々持っていた内分泌疾患や胆嚢疾患の悪化などが原因で起こるとも言われています!

悪性腫瘍

消化管の中にできたがんが急激に成長して大きくなると、時に腸管穿孔を引き起こし、腹膜炎が発生してしまいます!

また、がんが腹膜に転移した結果、がん性腹膜炎を引き起こしているケースもあります!

犬の消化管腫瘍は人以上に見つかりにくく、症状が出て見つけたころにはかなり進行しているケースも多いものです。

シニア期に突入した愛犬の健康診断を受ける際には、血液検査だけでなく各種画像検査もぜひ積極的に受けてくださいね

腹膜炎の症状

腹膜炎が起こるとまず何よりも「激しいお腹の痛み」が引き起こされます!

そのため、わんちゃんたちは、

● 背中を丸めて震える
● じっとして動かない
● お腹を触られると嫌がる、怒る、鳴く
● お腹が張っているように硬くなる

といった症状を見せます!

他にも食事や飲水をまともにしなくなったり、炎症が全身に及んでいる場合は発熱したり腹水が溜まるケースもあります!

腹膜炎が起こると痛みや炎症によって通常の生活を送ることはまず困難になるため、元気がなくぐったりとした様子を確認できるでしょう。

お腹の痛みが激しい場合には、腹膜炎の可能性も考えてできる限り早く動物病院へ向かいましょう!

腹膜炎の治療法は?

激しい腹痛が起こっている時には、血液検査・レントゲン検査・腹部超音波エコー検査などを行って、体の中で何が起きているのかを広く探る必要があります!

その上で腹膜炎の原因が見つかれば、

● 開腹手術による原因物質や腫瘍の除去
● 腹腔内洗浄
● 静脈点滴
● 細菌感染への抗生物質の投与

などを行っていきます!

腹膜炎を引き起こしている原因によって治療方法の手順はさまざまですが、ほとんどの場合入院した上で治療を行うことになるでしょう!

何が原因で腹膜炎が起こっているのかをきちんと獣医師に確認し、今後の治療プランや必要となる処置を把握しながら愛犬を見守ってあげてください!

重症化する前に早期発見を!

腹膜炎は時間が経過するほど、原因の対処が遅れるほどに状態が悪化していきます!

腹膜炎が起こっている時点で、重症な病気が隠れていたり、根本的な原因が体に及ぼしている影響がかなり大きいということでもあるのです!

1番愛犬にとって負担が少なくなるようにするには、腹膜炎につながるそもそもの病気や事故の予防に努めることです!

悪性腫瘍の発生などは防ぐことが難しいですが、誤食や落下事故、人のごはんを含めた高脂肪食を避けて消化管への負担を減らすことはきっとできるはずです!

愛犬の命を守るためにも、毎日の暮らしを見直すことで腹膜炎の発生リスクを少しでも下げていきましょう!

 

 

 

以上、
「犬の腹膜炎とは?原因と症状、治療方法って?」でした!

本日もお読みいただきありがとうございました!

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