屋外はもちろん、お家の中にも階段が多い日本の住宅では、愛犬が移動する時に使用しているという家庭も多いですよね。

しかし、階段は犬たちにとってケガや病気の悪化を招く危険なスポットの1つ!

今回は、階段の昇り降りをしている愛犬に潜む危険についてお話しします!

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自宅の階段にまつわる犬の事故とは?

愛犬と一緒にメゾネットタイプの集合住宅や、2階建て以上の戸建て住宅で暮らしていると、愛犬が階段の昇り降りをして好きな場所へ移動しているという家庭もありますよね。

しかし、日本の住宅によくある階下から階上をつなぐような急な階段では、人の2足歩行で移動することを前提とした形状をしているため、4足歩行の犬が移動するには向いていません!

「普段からスタスタ昇り降りしているし…」と思っていても、人が4足歩行で階段移動する場合をイメージするとよくわかるように、昇りは問題なくても、降りは犬にとって恐怖心や体が前のめりになる感覚から、
・足が滑る
・接地する足を踏み外す
・落下する
といった突発的な事故がかなり増える危険スポットです!

特に足裏の肉球が被毛で覆われていたり、爪が伸びすぎていて足の着き方が不自然になってしまっているわんちゃんの場合、勢いよく昇り降りしているうちに踏ん張りが効かずにツルッと滑ってしまうことがよくあります!

階段事故によって犬の体に起こるリスク

落下や踏み外しといった階段による事故は、
● 骨折、脱臼
● 打撲、捻挫
● 椎間板ヘルニア
● 膝関節や股関節疾患の悪化
といった足腰にまつわるケガや病気を悪化させたり、発症の原因になることも多く、時には高所から落下した場合全身を打ち付けて命に関わることもあります

たったの1段程度の足の踏み外しであったとしても、骨格が細い犬種や関節のはまりが浅いわんちゃんの場合、関節の脱臼や骨折が起こり、長期に渡って治療が必要になることも少なくありません

元々膝蓋骨脱臼や股関節形成不全を抱えているわんちゃんでは、普段の階段の昇り降りが少しずつ関節軟骨をすり減らしてしまうことで炎症を引き起こして痛みが出ることも多く、
・ダックスフンド
・ウェルシュ・コーギー
といった胴長犬種を始めとしたわんちゃんたちにとっては、背骨にかかる負担も増して、椎間板ヘルニアを発症するケースも続発しています!

たとえ広い空間を愛犬のために提供してあげたいと思ったとしても、階段を使った移動は愛犬の健康管理を行う上でデメリットが多すぎるということを理解し、愛犬の移動手段を制限する必要があります。

愛犬の階段事故を防ぐためにできること

階段による危険な事故や病気の悪化を防ぐためには、普段から飼い主さんが生活エリアを整えてあげることを意識してみましょう!

ここからは、今日からでもできる階段の昇り降りによる愛犬の負担を減らすための工夫をご紹介します!

仕切りを設けて階段への立ち入りを避ける

階段による事故や愛犬の体への負担をなくすために最も効果的な方法は、愛犬が階段を使って階上・階下を移動するのを防ぐことです!

そのためには、飼い主さんが見ていられる時間以外は生活エリアをリビングだけに限定してみたり、階段がある場所にペットゲートなどで仕切りを設けて、愛犬が階段の昇り降りができないようにしておきましょう!

最初のうちはなぜか当たり前にできていた移動ができなくなったことを不思議がるかもしれませんが、階上に愛犬にとってよほど執着するものがなかったり、遊びや運動、スキンシップなどで愛犬とのコミュニケーションを十分にとってほどよく疲れさせていれば、階段移動をしたがることはほぼありません。

ただし、愛犬の体のサイズに合わないゲートではわんちゃんがすり抜けてしまったり、反対に飛び越えてしまうなどして抑止の意味を果たしてくれない場合もあるためサイズを検討する時は要注意です!

・愛犬の頭が通り抜けられない幅であること
・愛犬のジャンプ力を確認すること
を忘れずに仕切りを選んでくださいね!

昇り降りは飼い主さんが必ず抱っこして移動する

2階に寝室があって、普段愛犬とはそこで一緒に寝ているという家庭の場合は、移動する時には愛犬の体をしっかり抱きかかえて昇り降りしてあげましょう!

普段から自分で昇り降りしていたわんちゃんの場合、抱っこでの昇り降りを拒否して「自分で行く!」と飼い主さんの腕からすり抜けてしまう危険もあるので、愛犬の腰からお尻をしっかり支え、飛び出さないように体の前方を抑えて落下を防ぐような抱っこをしてから移動してみてください!

足腰が弱っているわんちゃんの場合はなおのこと抱っこ移動が必須ですが、中型犬から大型犬で抱きかかえての移動が足元が見えづらく大変!という時には、移動用ハーネスなどを活用するのもおすすめです!

飼い主さんと愛犬の寝室を1階に移動する

愛犬が普段から寝室とリビングを行ったり来たりしてのんびり過ごしているという家庭の場合は、思い切って飼い主さんの寝室を1階に変更してしまうという方法もあります。

そうすることで愛犬にとってみればのんびりする部屋が複数箇所あることに変わりはなくなり、室内移動のスペースを極端に減らしてしまわなくても良くなります!

ただ、愛犬にとってのんびりする部屋は、「愛犬だけの場所」としてクレートトレーニングも兼ねてリビングにお留守番スペースを設置し、そこで落ち着いて過ごすことを習慣化することがしつけの観点からもおすすめです!

愛犬が万が一昇り降りした時のための対策をとっておく

これまで階段の昇り降りをしていた習慣から、ふとした時につい愛犬が昇り降りをしてしまった!というケースもあるでしょう。

そんな時のために、
・階段に滑り止めの吸着マットを敷いておく
・愛犬の足裏にかかる毛を肉球が隠れないようにキレイにカットしておく
・月に1回程度爪をこまめに切って歩きやすくしておく
といった対策をとっておくと良いですね!

階段に滑り止めマットを敷いておけば、人にとっても階段を踏み外す危険も減るので一石二鳥です!

階段による事故は少しの意識改革で防ぐことができる!

階段からの突発的な落下や、昇り降りによる足腰への負担は、飼い主さんが少し気をつけてあげるだけで充分防ぐことができるトラブルです!

日常的に当たり前にしていた移動がまさか愛犬の健康を損ねてしまうなんて!と、愛犬に痛みが生じてから後から後悔するよりも、先に予防策を張っておく方が安心ですよね。

もしもの事故を防ぎ、愛犬の命を守るためにも、室内に急な階段があるお家ならぜひ一工夫を行ってみてください!

 

以上、
「階段は犬にとって危険がいっぱい!飼主が気を付けておくポイントとは?」でした!

本日もお読みいただきありがとうございました!