ある統計によると、3歳以上の成犬で歯周病にかかっている割合は、なんと80%
実は乳歯から永久歯に生え変わる前後から、歯周病対策をしておくことがとても大切なのです。
健康的な生活を送るにはまずは歯から!
今回は、子犬の口の中の変化に注目してみましょう!

Contents

歯が生え変わる時期はいつ頃?

「体はどんどん大きくなるけど、歯はいったいいつ生え変わっているんだろう?」

子犬との暮らしの中で疑問に思うことの1つですね!

子犬の乳歯から永久歯への生え替わりは、生後4か月頃から7か月頃までには完了すると言われています!

ところが、乳歯の生え替わり時には

・抜けた歯を子犬がそのまま飲み込む
・床に落ちているのを小さすぎて気づかず掃除してしまう

といったことが原因で、飼い主さんにとっては「気づかずに完了してしまっていた…」という事態になるのです!

この歯の生え替わりは、実は子犬にとって将来の口の環境を左右する大きなイベント

飼い主さんは、体の成長以外に「歯」にも注目しておく必要があります!

 

生え変わる時にチェックしておきたいこと

人に比べ歯石が溜まりやすい環境にある犬の口は、将来的な歯周病リスクも大きくなります!

この歯石の溜まり方は、もちろん体質的なものもありますが、実は乳歯の生え替わりの時に異常が出ているのに気づかず、そのまま放置したことがきっかけになっていることもあります!

生後半年頃までは、愛犬の歯の状態もチェックしておくことが大切です。

歯の本数

まず確認しておきたいのは、歯の本数です!

子犬の乳歯は「乳切歯」「乳犬歯」「乳臼歯」で28本あり、これが永久歯になると「切歯」「犬歯」「前臼歯」「後臼歯」で42本になります!

しかし、短頭種などの顎が短い犬種では、生えてくる歯の数が少ないこともあります!

また、小型犬に多いのが「乳歯遺残(にゅうしいざん)」!

永久歯が生えてこようとしている場所の乳歯が抜けず、サメの歯のように2枚歯になってしまっている状態のことを指しています!

乳歯が残ったままだと、永久歯の萌出を邪魔してしまい、きちんとした場所に永久歯が生えることができません!

こうした乳歯遺残によって、

・歯石がつきやすくなる
・咬み合わせが悪くなる
・口唇に歯が当たって慢性的に炎症が起こる

といったデメリットが起こり、若い年齢でも重度の歯周病になるリスクを抱えてしまいます!

顎の位置

歯の本数と合わせて確認しておきたいのが、顎の位置です!

元々持って生まれた顎の位置が異常なことから、乳歯遺残と共に歯周病のリスクが高まる要因になります!

・「出っ歯」のように見えるオーバーショット
・下顎が長く突き出たアンダーショット
といった咬み合わせの異常が代表的!

少々なら日常生活に異常はありませんが、程度が激しいと口がうまく閉じれず乾いてしまうことから、唾液による口腔の洗浄作用が減り、歯周病リスクにつながってしまいます!

顎が正常な位置にないと咬み合わせがうまくいかず、人で言う八重歯であるとがった犬歯が、上顎・下顎それぞれに当たってしまい痛み炎症を引き起こすことも!

顎の長短は治せませんが、犬歯が当たってしまう時には短く削って当たらないように矯正する必要も出てきます!

将来の歯周病を予防するために

歯周病は歯肉炎歯周炎に分けられ、歯周炎になると完治することは不可能になります。

歯周炎の進行を防ぐには、愛犬が幼い頃から「歯のケア」をするという意識を飼い主さんが持つことが大事です!

歯みがき

歯石のつくスピードを緩やかにするには、歯についた歯垢を歯ブラシでみがいて落とすのが1番!

ただし、愛犬にとってみれば、口元を急にゴシゴシ力任せに触られるとびっくりします!

また、成犬になってから急に「生活習慣の中に歯みがきを取り入れろ」と言われても無理な話!

そこで大事なのが子犬の時期です!

・顔をなでる時に口元を触ってほめる
・歯を軽くタッチできたらほめる

というように、日常動作の中で何気なく口元に触れていきましょう!

その後盛大に褒めて、「口元に触られる=嬉しいことが起こる(ほめられる)」という関連付けを、子犬のうちから行っておくことで将来的な歯みがきへの抵抗感を減らすことができます!

徐々に指でみがく・歯ブラシでみがくというステップを踏むことで、歯が生え変わる頃には歯みがきしやすい子になってくれます。

この頃に歯みがきで口の中をチェックする習慣がつくと、生え替わりの時の口の異常を早く見つけることにもつながりますよ!

 

乳歯抜歯

もしも永久歯の生え替わりの時に乳歯が残ってしまったのであれば、2枚歯になってしまっている乳歯を抜く必要があります!

放置することは「歯石の付着」「歯並びや噛み合わせの悪化」の元!

生後6~7か月頃に行う避妊・去勢手術の、麻酔がかかって痛みを感じないタイミングで一緒に処置することがベストです!

手術前検査の時に、ぜひ獣医さんに愛犬の口の中をしっかり確認してもらいましょう!

いつまでもおいしくごはんを食べよう!

歯の生え替わりのタイミングで異常が出ることは「将来の歯周病リスクを高める」という意味であることを知っておかなければいけません!

歯周病が進行すると、歯の根元に膿が溜まったり歯が抜け落ちるだけでなく、顎の骨がもろくなって骨折することもあります!

そうなると愛犬の楽しみである食事にも支障が出て、生活の質が落ちてしまうことにもなりかねません!

子犬の頃にやってくる乳歯から永久歯への生え替わり時に、

・きちんとした場所に生え変わったか
・咬み合わせや顎の位置に異常がないか
・歯の生え方の異常による炎症や痛みはないか

を、飼い主さんは獣医さんと連携しながらしっかりと見守ってあげましょう!

歯がきちんとした場所で生えそろっていることは、愛犬の健康を保つ上での大きな1歩になりますよ!
 

 

 

以上、
「犬の歯の生え変わりの時期っていつ?注意しておくことってある?」でした!

本日もお読みいただきありがとうございました!

 

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