オスのわんちゃんを迎え入れた時、去勢手術をどうすべきかは悩みの種の一つ!
ですが、去勢手術は性ホルモンによる行動の抑制はできても、問題行動の解消や性格の変化につながるわけではないのです!
メリットとデメリットを知り、その子の今後の暮らし方を考えてあげましょう!
Contents
去勢手術ってなに?
ご縁があって迎え入れたわんちゃんたち!
オスだった場合、動物病院や他の飼い主さんから「去勢手術」についてのお話を耳にすることも多いのではないでしょうか。
「去勢手術ってどんな手術なのか知らない」という飼い主さんは意外と多く、手術前・後の流れから、手術自体の役割まで、手術を「する」か「しない」かを決めるためにも知識が必要となります!
去勢手術は、お腹を開けて処置をするのではなく、陰嚢を切開して精巣を取り出す方法が基本です。
しかし、中には精巣が陰嚢まで降りてこず、お腹付近に留まったままになってしまう「潜在精巣(停留精巣)」の場合は、時には開腹手術が必要になることもあります!
手術自体は全身麻酔下で行われ、わんちゃんたちが眠っている間に手術は終わります。
基本的な方法の、開腹を伴わない去勢手術の場合は短時間で終わることも多く、ほとんどの場合が日帰り。
ですが、何といっても「全身麻酔下での手術」のため、「何だか不安…」「うちの子には本当に必要なのかな?怖い…」と心配になる飼い主さんも少なくありません!
家族として過ごしている愛犬の暮らしのために、まずは去勢手術が自分の愛犬に必要なのかどうかを、手術について理解した上で考えてみましょう!
去勢手術を考えるタイミング
「去勢手術をしようかな」と飼い主さんが考える時はどんな時でしょうか。
一般的に多いのは、子犬を飼い始めて動物病院に行き、そこで獣医さんから提案された時。
小型犬であれば、だいたい体の成長が緩やかになり始める生後6か月(半年)頃に、去勢手術について検討してみてください、と一度はお話を受けることも多いはず!
また、老犬期によく現れる生殖器系の病気の治療のために、精巣を摘出する去勢手術が必要になることもあります!
去勢手術についての情報は、インターネットの発達と共に犬や猫と暮らす飼い主さんに近年よく知られるようになったため、去勢手術によって得られるメリットと、手術を受けることで発生するデメリットを比較した上で、自発的に手術を選択「する」「しない」を決定される飼い主さんも増えています。
去勢手術のメリット
愛犬の去勢手術を「する」選択をした飼い主さんでは、去勢手術によって得られる行動の変化や病気の予防を期待していらっしゃる方が多くいます。
しかし、なんとなく「去勢手術をする」=「オスは大人しくなる」というイメージを持たれる飼い主さんもいるため、実際にはどんな行動の変化を指しているのかも一緒にお話ししていきましょう!
1. 望まない妊娠を避ける
メスの避妊手術と共に、去勢手術における以前と比べての最大の変化は、生殖行動ができなくなること。
他の飼い主さんが飼っているメスで、避妊手術をしておらず発情している子がいた場合、自分の愛犬がその子と交配し、妊娠させてしまうといったトラブルを防止することができます。
また、遺伝的疾患を持つような病気を抱えていた場合、子孫へこれ以上の病気の広がりをみせないよう、あえて去勢手術を選択することも。
もしも愛犬の子どもを望まないのであれば、去勢手術をしておくことが最大の手段となります。
2.発情に関わるストレスをなくす
発情しているメスがいたり、周囲にその気配を感じれば、オスはつられて発情してしまいます。
しかし、もしも近くに魅力的なメスがいるのに交尾ができないとなれば、オスはその大きなストレスにさらされてしまうのです!
メスに近づきたいからワンワン吠える、散歩中でもメスに向かっていく、他のオスがそのメスの近くにいると闘ってでもメスの傍を勝ち取りたい!などなど!
こういった生殖行動に関わる本能を無理に抑え込もうとすると、飼い主さんとの信頼関係が崩れたり、積もりに積もったストレスにより他者に攻撃的になったりと、飼い主さんとのお互いの暮らしを愛犬が脅かすようになってしまいかねません!
そのため、去勢手術を行うことによって、メスや対抗すべきオスを意識したからこそのマーキングや性的衝動、対抗すべき他の犬などへの攻撃欲求が減る可能性を検討して、去勢手術を行っておくという選択肢があります。
3. 生殖器系の病気の予防
オスの性ホルモンや生殖器が関わっている病気で、去勢手術を行うことで将来的に予防できたり、発生率を下げることができるものがあります!
最も代表的なのは精巣腫瘍!
特に正常な位置まで降りてこずお腹の中に精巣が残ってしまった場合には、高い確率で腫瘍化することが報告されているため、その前に去勢手術で精巣をとっておくことを勧められます。
また、老犬期に発生しやすい前立腺肥大も、気づかれないだけで多くの未去勢オスが抱える病気のひとつです!
前立腺の肥大化が進行すると、排便・排尿障害などが出て、生活にも支障が現れます。
将来的な病気の対策という意味で、去勢手術を考えてみるのも良いでしょう。
去勢手術のデメリット
ここまではメリットについてお話ししました。
ですが、手術というからにはもちろんデメリットも存在します!
1. 全身麻酔下での手術であること
去勢手術自体は手術の中でも短時間で終わる手術のひとつです。
ですが、手術をするにあたり、体の一部を切除するわけですから当然「痛み」を伴います!
そのため、全身麻酔をかけて術中の痛みを感じないようにしてあげなければいけません。
しかし、麻酔のメカニズムにはわかっていないことも多く、飼い主さんが手術で不安になる大部分はこの点です。
手術の前にはきちんと血液検査を含めた術前検査をして、愛犬の現在の体の状態・リスクがどれくらいあるかを獣医さんと確認した上で手術に臨みましょう!
また、獣医さんからの手術日の流れや手術方法、手術自体のリスクはしっかりと話して確認しておき、手術を実施する前に不安や心配をできる限り解消しておくことが大切です!
2.手術後は太りやすくなる
ホルモンバランスの変化によって、去勢手術後は太りやすくなる傾向があります!
肥満は内臓機能や関節系に負担をかけ、病気のもと!
体格と運動量に見合ったカロリーコントロールが必要になるため注意が必要です。
3. 子孫を残せなくなる
去勢手術をすると二度とその子の子孫は残すことができません。
そのため、もしも心の片隅で愛犬の子どもが欲しいな…と思っているなら、去勢手術は熟考してからにしましょう!
もしも繁殖を考えるのであれば、生まれる子犬の行く末や繁殖にかかる費用、相手になる子や遺伝疾患はないかなど、しっかり調べてから行ってくださいね。
去勢手術は結局のところするべき?
去勢手術をするかどうかは、最終的にその愛犬の飼い主さんが決めなければいけません。
手術自体のメリットとデメリットを天秤にかけて、愛犬のために何を優先するのかを考えて選択してあげてください!
まずは信頼できる獣医さんを探し、手術について相談してみるのも良いでしょう。
去勢手術は性ホルモンによる行動の抑制はできても、「問題行動の解消」や「性格の変化」に単純につながるわけではありません!
もしも、愛犬に「吠え」や「噛む」などの困った行動があって去勢手術を考えているのであれば、原因がオスとしての本能によるものではない別のものなら、期待していたほどの効果はないかもしれません。
去勢手術は、自分と愛犬の暮らしがより良くなるものかどうか、お互いのライフスタイルと将来を考えた上で行うかどうかを決めてあげてくださいね!
以上、
「オス犬が去勢をするメリットって?去勢しないと大人しくならないの?」でした!
本日もお読みいただきありがとうございました!